磯貝 浩一郎、koichiro isogai, フリーランス、

ドイツ、アートディレクター日記

海外でフリーランスや、クリエイティブ職に興味がある人達に向けて

遠隔 (リモート) で仕事をするということ 2

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こんにちは、北ドイツのハンブルグでアートディレクターをしています、コイです。考えてみれば、デジタル写真が世の中に出た時も、オンラインストリーミングで映画を観ることも、デジタルに変換した音楽を定額で聴き放題というのも、新聞をデジタルデバイスで読むことも、SNSも、もっと言えば携帯電話ですら、つい最近我々にもたらされたもので、それらを導入する時は、今までの生活習慣や常識を大きく変えなくてはいけなくて、必ず文句を言う人がいたけど、しかし時代がそれを飲み込み、結局一般化されていったことは、記憶に新しい。

 

遠隔で共同作業って本当にできるの?

昨日、遠隔で仕事をしているフランクフルトに電車に乗ってリアルに出向いた。仕事が大事な局面にきているから、と思ってのことだったが、結果からいうと、別に必要がないことだった。

フランクフルトにいる同僚とコミニケーションを取ったことは収穫ではあったけど、そこからも結局、ベルリンにいる他の同僚とスカイプを使って仕事をした。私は何してるんだろう... 自腹で電車賃とホテル代、そして貴重な時間を使っているのに、出張した先で、リモートで働いているとは!

 わざわざ出向いた本当の理由

私が聞かれてもいないのに、わざわざ先方に出向いた本当の理由は、私の言語能力に不安があるからで、オンラインで複数人で物事を決めていく会議に参加するのは、何年やっても苦手意識がある。電話会議で発言しないという事は、いないも一緒だから、とても集中しなくてはいけないのだが、往々にして会議は長い笑。

リアルで会いに行った価値ははあったのか?

やっぱりリアルで会ったことがある人との方が、遠隔で仕事をする時も、事がスムーズに運ぶよね、と今でも思っているけど、近い将来、そういう考え方は、もの笑いの対象になるに違いないし、もう既に、そういう時代に我々も適応しつつあるのかもしれない。

ここまで読み進めていただいて、ありがとうございました。 結局のところ、上記した、”リアルで会ったことのある人の方が...”と言う話は必ず人の共感を得ることができるのだけれども、それは情報革命のスピードが速すぎて、我々人類の方がまだその感覚に追いついていない、というのが2017年の現状ではないのでしょうか。

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遠隔(リモート)で仕事をするということ

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こんにちは、北ドイツのハンブルグでアートディレクターをしています、コイです。最近はフリーランスの仕事でも、リモート(遠隔勤務)が許される場合が多く、自分の住む都市のクライアントに限らなくて済むのは、選択肢の可能性が広がることになります。

 

 点在する都市

ドイツは、イギリスやフランスと違い、近代まで国家統一していなかったその歴史から、中規模都市が国中に分散していて、それぞれが独立した非一極集中型の国で、つまり都会と呼べるような都市ががいくつもあるのが特色です。

私の住むハンブルグはドイツ第2の都市で、基本的に出版社やテレビ、広告代理店、制作会社などが集中しているメディアの中心地ではあるけれど、他の都市にももちろんクライアントになりそうな会社・団体は存在しています。

3都市間をまたいでチームワーク

今回のクライアントは、フランクフルトとベルリンに社を構える広告代理店で、仕事は、ドイツ最大手の電話会社が運営する、オンデマンドムービーのプラットフォームの中にある、子供用番組枠。私は美術担当のアートディレクターとして2~3ヶ月間の契約で雇われて、自宅のあるハンブルグからベルリンとフランクフルトにいる同僚と、オンラインで仕事をすることになりました。

IT系の会社ではとてもポピュラーな仕事形態

一昨年まで働いていた代理店でも、日常的に遠隔で仕事をしていました。ここドイツにある代理店から、東ヨーロッパやインドのようなITリテラシーの高い、しかし賃金が比較的低い国々に、私たちが作った広告やポータルのデザインやコンセプトの、プロダクションやプログラミングの外注を出していたからです。

 情報革命はまだ始まったばかり

しかしそこで、会ったことのない人よりも、一度でも会ったことのある人の方が、圧倒的にスムーズに仕事が出来る、という事を経験していました。これだけインフラが整ってきても、人類の方が遠隔で仕事をするのに”まだ”適合していない、と思わされることがいくらもありました。声や文字だけの情報伝達では伝わらないものがまだ沢山あって、会うことによって得られる情報、見た目や仕草、癖、雰囲気や物腰、匂いや手触り、品格や知性などを知ることは、コミニケーションを助ける要素に違いないということを確信しました。

遠隔勤務は一般化するのか?

そういう理由もあって、今回も数回、大事な局面にはフランクフルトとベルリン両都市に行き、共同作業する人たちと会って、一緒に仕事をする機会を設けようと思っていますが、もっと遠隔勤務の一般化が進み、物理的に集まって定時まで働くことよりも能率が良いことが、広く認知されるであろう数年後には、このような考え、リアルで会ったほうが仕事が捗るよね、はノスタルジーとして懐かしがられるのに違いないと思いました。

 

ここまで読み進めていただいて、ありがとうございました。業種を絞れば今でも十分に可能な仕事形態であることは間違いなく、しかし、我々のさらなるリテラシーの向上や効率性が求められるようになるのかもしれません。

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ドイツで、フリーランスのデザイナーとして働く

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こんにちは、北ドイツのハンブルグに住むコイです。私の職業は、フリーランスのアートディレクターで、1999年から、ドイツのメディアセンター、ハンブルグに住んでいます。

 

突然の買収、吸収、合併で職を失う

一昨年まで、ドイツに来てからずっと、いくつかの広告代理店でサラリーマンをやっていました。しかしある日突然、私の働く代理店が閉鎖することになり、職を失ってしまいました。大きな会社にM&Aされて、いくつかあったヨーロッパ支所を段階的に全て閉鎖し、数百人いた従業員の殆どがバラバラに。グローバル企業だっただけに、グローバリゼーションの辛いところがモロかぶった形になった訳です。

 図らずも、フリーランスを始める

そういうわけで、ところてん式に押し出された形で始めたフリーランシングだけど、幸いにもまだまだ景気のいいドイツでは、フリーランスのマーケットがとてもアクティブで、今の所、私のような外国人でも仕事が見つかる。メルケル首相に感謝。

私のドイツで経験した、または進行中の仕事、そこから見えてくること、そして外から見た日本について、できる範囲でゆるく書き綴ろうと思います。海外で、特にクリエィティブ職で働くことに興味がある人たちの参考になればいいと思っています。