出版業界は生き残れるのだろうか? いや... 無理じゃね?
こんにちは、北ドイツのハンブルグでアートディレクターをしています、コイです。今日は、ドイツ大手出版社から仕事を依頼され、数日間、ホームオフィス(遠隔で、自宅から仕事をする)で働いたお話をしたいと思います。
結論から言うと、現存の出版業界の未来は、暗い
呆れるほど非効率的な20世紀的な手法で原稿や情報をやり取りする様を見て、やっぱり出版業界に未来はない、と確信しました。
いくつかの先進的な出版業界向けの共同作業(コワーキング)用の遠隔サービスがあるにもかかわらず、そういう効率的なワークフローは使わず、未だにメール、コピペ、電話の嵐、挙げ句の果てにはタクシー飛ばしてウチに来い、とか、びっくりするほど前近代的。もちろん現代的なワークフローを取り入れている出版社もある(私は知らない)のかもしれないけど、仕事の仕方云々、というより、時代と共に自分を変えていく柔軟さ、と言うか、そもそもその気がない組織は、恐竜のように衰退、吸収され消滅するのではないでしょうか。
何が問題なのか
彼らの存在がそのビジネスモデルの上で成り立っているからで、そこに働く人たちは、プライベートでももれなくタブレットコンピューターを1台以上所有しているに違いなく、つまりメディアの現状と将来をはっきりと認識しているはずなのに、根本的に何も変われないこと、が一番の問題だと私は考えます。
音楽業界があっという間に衰退、移行したこと
彼らもストリーミングなどの台頭により、今までのビジネスモデルが立ち行かないのがはっきり見えていたにもかかわらず、なすすべもなく(なさずに)他の業界、具体的にはIT業界に全てに近いパイを持っていかれた事は、私たちの記憶に新しい。
時間の問題
出版業界は、すぐにもインターネットに置き換わるだろうという当初の予想を超え、まだ踏ん張っているのが現状、それも時間の問題で、音楽業界ととてもよく似た経路を辿るであろうことに疑いの余地はなく、どう置き換わるか、ソフトランディングか、ハードランディングか、どうすれば人類にとって、そして文化的に良いのかが議論されるべきことではないでしょうか?
追記:
請求書をメールに添付したPDFで送ったら、郵便で送りなおせ、と言われました。どっちでもよくね笑? むしろメールでそれを伝えるために返信しやりとりする時間や手間、PDFをプリントアウトしポストに投函する時間や手間、郵便物を物理的に届ける時間や手間、郵便物が数日後に届いてそれをまた手動でシステムに入力する時間や手間を考えると、不必要なエネルギーをいくらか節約できるPDFの方がなんぼもいいんじゃね? と、またイラっとしてしまいました。
ここまで読み進めていただいて、ありがとうございました。今回は出版業会の悪口を言いたかったのではなく、変わらないと絶滅してしまうという事実を、まがりなりともグラフィックデザイナーとして関わった経験から述べました。変わるには勇気がいりますが、船が沈んでからでは遅きに失するのではないでしょうか?